犬が誤飲したら、まず何を伝える?病院への電話で役立つ4つの情報
カテゴリー:健康・衛生
犬が何かを飲み込んだかもしれない。そんな場面では、「すぐ吐かせたほうがいいのでは」と焦るかもしれません。しかし、誤飲で最初に必要なのは、家庭で処置を始めることではなく、動物病院が判断するための情報をできるだけ早くそろえることです。
飲み込んだ物の種類、大きさ、時間、犬の今の様子によって、必要な対応は変わります。症状が出ていないから安全とは限らず、逆に自己判断で吐かせたり、水を飲ませたりすると危険になる場合もあります。電話をかける前後に確認したい内容を、慌てたときでも思い出せる形で整理しておきましょう。
最初に集めたいのは、4つの情報
誤飲に気づいたとき、病院へ「何を食べたかもしれません」とだけ伝えても、もちろん相談は始められます。けれど、次の情報があると、電話口で緊急度を判断しやすくなり、来院後の診療にもつながります。
- 何を飲み込んだか:食べ物、薬、電池、ひも、おもちゃの破片など。素材、形、硬さ、尖っているかも分かる範囲で伝えます。
- いつ起きたか:目撃した時刻、または最後にその物があった時刻を確認します。「たぶん今日」よりも、「17時ごろに気づいた」のように伝えるほうが判断材料になります。
- どれくらい飲み込んだ可能性があるか:一つ丸ごとか、一部だけか、残った破片はあるかを見ます。薬や食品なら、袋・容器・成分表示も残しておきます。
- 今の犬の様子:呼吸、意識、嘔吐やよだれ、落ち着かなさ、腹部を痛がる様子の有無に加え、年齢と体重も伝えます。
分からない項目があっても、電話を後回しにする必要はありません。「ひも状の物が見当たらず、30分ほど前に口にしていたかもしれない。体重は5kgで、今は吐いていない」のように、分かっている事実だけを伝えます。病院側が追加で必要なことを聞いてくれます。
吐かせる前に、なぜ電話が必要なのか
誤飲では、早く吐かせればよいとは限りません。洗剤などの刺激性がある物は、吐くときに食道や口の中を再び傷つけるおそれがあります。尖った物なら、戻ってくる途中で粘膜を傷つける可能性があります。ひもや糸のように長い物も、無理に引っ張ると消化管を傷つける危険があります。
そのため、獣医師から指示を受ける前に、塩、水、牛乳、食べ物などを与えたり、指を口へ入れて吐かせようとしたりするのは避けます。口の奥に手を入れる行為は、犬が驚いてさらに飲み込んだり、飼い主がかまれたりする危険もあります。吐かせる処置が必要かどうかは、飲み込んだ物と経過時間、犬の状態を合わせて獣医師が判断するものです。
病院へ向かう前に、持って行けるもの
電話で受診するよう案内されたら、飲み込んだ可能性がある物と同じ物、袋や箱、成分表示が分かるものを持参します。現物がない場合でも、似た物の写真、壊れたおもちゃの残り、空になった包装を用意すると役立ちます。何を飲み込んだかを言葉だけで説明するより、素材や大きさを共有しやすくなるからです。
犬の様子が普段と違う場合は、無理のない範囲で短い動画を撮っておくのも一つの方法です。呼吸の仕方、繰り返す吐き気、歩き方、よだれの量などは、病院へ着くまでに変わることがあります。動画を撮ることが目的ではありませんが、すぐ撮れる状態なら診察時の情報になります。
ただし、荷物を完璧にそろえるために電話を遅らせないことが大切です。家族がいるなら、一人が病院へ連絡し、もう一人が包装や残った物を探す、と分けると落ち着いて動けます。一人のときは、まず電話で指示を受けてから必要なものを集めましょう。
症状がないときも、様子見で終わらせない
誤飲直後は、普段どおりに見えることがあります。それでも、飲み込んだ物の種類や位置によっては、時間がたってから嘔吐、腹痛、元気消失、食欲低下などが出る場合があります。「今は元気だから」と数日待つのではなく、可能性に気づいた時点で病院へ相談するほうが安全です。
呼吸が苦しそう、ぐったりしている、けいれんがある、何度も吐こうとする、腹部を強く痛がるといった様子がある場合は、特に急ぐ必要があります。電話では状況を簡潔に伝え、受診先からの指示に従ってください。
普段から「伝えるメモ」を作っておく
誤飲は、飼い主が目を離したほんの短い間にも起こります。緊急時に検索を始めなくてもよいよう、かかりつけ病院と夜間に相談できる病院の連絡先、愛犬の体重、常用している薬を、家族が見つけられる場所へまとめておくと安心です。
いざというときに役立つのは、特別な応急処置の知識だけではありません。「何を、いつ、どのくらい、今どうしているか」を病院へ渡せることです。誤飲したかもしれないと気づいたら、吐かせる方法を探す前に、まず電話で相談する。その順番を覚えておきましょう。
参考情報
- https://nagawaah-vet.com/column/dog-cat-foreign-body-ingestion/
- https://www.anicom-sompo.co.jp/prevention/stopgoin/pdf/130627.pdf
- https://vcahospitals.com/resources/conditions-dog/emergency/true-or-false-if-your-pet-ate-something-toxic-you-should-make-them-vomit
- https://www.merckvetmanual.com/special-pet-topics/poisoning/general-treatment-of-poisoning